特別編【後】
第1場:綾薙大学附属病院・廊下にて
卯「も~、どうしてすぐどっか行っちゃうの~!」
戌「エヘヘ☆」
卯「褒めてない! 午後から執刀でしょ!? 集中力高めるとかそーゆーことしなくていいの!? ミスしたらどうするの!? ボク助手で入ってるんだよ!」
戌「うーん、僕ミスしたことないから」
卯「う……どうしてこの人がこんなに優秀なの~? 意味分かんないっ」
北「おー、脳神経外科のデコボココンビじゃねーか。相変わらずデコボコしてんな、有罪」
卯「ぐ……北原先生」
戌「こんな所でどーしたの? 内科ってこっちじゃないよね!」
北「ちょっとERにな」
卯「ER? 怪我でもしたの? 君らメスも握らないのにさ」
北「は? 俺が仕事中に怪我なんかするかよ。例え外科医だったとしてもそんなヘマするわけがねえ。有罪だ」
卯「だったらなんでER行くの……」
戌「ん? あり?? 何か話し声がする!」
北「あ? 別に話し声なんか珍しくもなんとも――」
戌「こっちこっち! この部屋!」
卯「ここって……柊教授の執務室じゃん」
暁「柊くん――じゃなくて柊教授。改めて、就任おめでとう」
柊「有難うございます。ですが呼び方はこれまで通りで構いませんよ。僕も正直、まだ呼ばれ慣れないんです」
暁「けど慣れないとね。これからは皆がそう呼ぶんだよ? やっと辿り着いたんだ、本当の意味での、この病院の頂点に……!」
柊「暁」
暁「君はこの病院の院長一族の跡取りで、研修医の頃から七光りだの何だのとくだらない中傷を受けてきた……だけどそれに打ち勝った。これからは、君の実力を疑う奴らなんていない。君の天下だ」
柊「君の支えがあったからこそです」
暁「僕はただの事務長だ、何もしていないよ。ただ、君を信じて支持してきただけさ。勿論、今後も君の方針に従うよ。出来ることがあれば何でも協力するから、遠慮なく言ってくれ」
柊「有難う。頼りにしています」
暁「柊くん……!」
柊「では早速なのですが、手始めに、重大な計画に着手したいと思います。この病院の最果てに位置する――ERの件で」
暁「?」
柊「我が病院のERは非常に歴史が古い……いえ、古くなり過ぎた。しかし、医療は常に新鮮であるべきです。分かりますか?」
暁「つまり君は、ERを……!」
柊「僕が教授となった今こそ、この綾薙大学附属病院を新しく生まれ変わらせる時です。古きものは、打ち捨てていかなくては……」
北・戌・卯「!!!」
戌「エヘヘ☆」
卯「褒めてない! 午後から執刀でしょ!? 集中力高めるとかそーゆーことしなくていいの!? ミスしたらどうするの!? ボク助手で入ってるんだよ!」
戌「うーん、僕ミスしたことないから」
卯「う……どうしてこの人がこんなに優秀なの~? 意味分かんないっ」
北「おー、脳神経外科のデコボココンビじゃねーか。相変わらずデコボコしてんな、有罪」
卯「ぐ……北原先生」
戌「こんな所でどーしたの? 内科ってこっちじゃないよね!」
北「ちょっとERにな」
卯「ER? 怪我でもしたの? 君らメスも握らないのにさ」
北「は? 俺が仕事中に怪我なんかするかよ。例え外科医だったとしてもそんなヘマするわけがねえ。有罪だ」
卯「だったらなんでER行くの……」
戌「ん? あり?? 何か話し声がする!」
北「あ? 別に話し声なんか珍しくもなんとも――」
戌「こっちこっち! この部屋!」
卯「ここって……柊教授の執務室じゃん」
☆
暁「柊くん――じゃなくて柊教授。改めて、就任おめでとう」
柊「有難うございます。ですが呼び方はこれまで通りで構いませんよ。僕も正直、まだ呼ばれ慣れないんです」
暁「けど慣れないとね。これからは皆がそう呼ぶんだよ? やっと辿り着いたんだ、本当の意味での、この病院の頂点に……!」
柊「暁」
暁「君はこの病院の院長一族の跡取りで、研修医の頃から七光りだの何だのとくだらない中傷を受けてきた……だけどそれに打ち勝った。これからは、君の実力を疑う奴らなんていない。君の天下だ」
柊「君の支えがあったからこそです」
暁「僕はただの事務長だ、何もしていないよ。ただ、君を信じて支持してきただけさ。勿論、今後も君の方針に従うよ。出来ることがあれば何でも協力するから、遠慮なく言ってくれ」
柊「有難う。頼りにしています」
暁「柊くん……!」
柊「では早速なのですが、手始めに、重大な計画に着手したいと思います。この病院の最果てに位置する――ERの件で」
暁「?」
柊「我が病院のERは非常に歴史が古い……いえ、古くなり過ぎた。しかし、医療は常に新鮮であるべきです。分かりますか?」
暁「つまり君は、ERを……!」
柊「僕が教授となった今こそ、この綾薙大学附属病院を新しく生まれ変わらせる時です。古きものは、打ち捨てていかなくては……」
☆
北・戌・卯「!!!」
第2場:綾薙大学附属病院・脳神経外科にて
辰「今日のオペもパーフェクトだったね、栄吾」
申「そうですね、辰己」
辰「君が助手に入ってくれると、何も言わなくても察して動いてくれるから、本当に助かるな」
申「何年君とオペをしていると思っているのですか」
辰・申「ふふふ」
虎「オレも助手に入ってたんだけど~?」
辰「勿論、虎石のサポートもなかなかだったよ」
申「しかし、器械出しの看護師にウィンクで指示を出すのはいかがなものかと」
虎「別によくね? 何時間もオペ室に閉じこもってんだからよ、そんくらいの潤いがねぇと♥ あ、オレこの後もうひとつオペ入ってんだよな。シャワー室、先行くぜ~」
申「おや、今のオペで今日は終わりのはずですが?」
虎「うちの科はな? 婦人科の応援頼まれてんの」
辰「虎石は婦人科も経験があるんだっけ」
虎「まあな。他には消化器外科、小児外科、整形外科――」
申「気が多いのか、要領がよいのか」
辰「うちの病院でこんなに何でも出来る医師は、虎石以外にいないよね。同僚としては自慢になるな」
虎「だろ――イィッ」
辰「虎石?」
申「どうかしたのですか?」
虎「何か急に……顔面が痛ぇ」
辰「え?」
申「顔面? 頭痛ですか?」
虎「いや……コレ、奥歯か??」
辰「あぁ……」
申「脅かさないで下さい。脳神経外科医の前でむやみに顔面が痛いなどと……」
辰「時間が空いたら、歯医者に行って来たら? 確か近所にかかりつけのクリニックがあるんじゃなかった?」
虎「いや、あるにはあるんだけどよ……あそこの先生、怖ぇんだよな~」
申「何を子供のようなことを言って――」
戌「おーい、みんなー」
辰・申・虎「ん?」
辰「戌峰、卯川、そんなに慌ててどうしたんだ?」
卯「ぼ、ボクたち、大変なこと聞いちゃったかもっ。あのね、ERがっ――」
辰・申・虎「???」
申「そうですね、辰己」
辰「君が助手に入ってくれると、何も言わなくても察して動いてくれるから、本当に助かるな」
申「何年君とオペをしていると思っているのですか」
辰・申「ふふふ」
虎「オレも助手に入ってたんだけど~?」
辰「勿論、虎石のサポートもなかなかだったよ」
申「しかし、器械出しの看護師にウィンクで指示を出すのはいかがなものかと」
虎「別によくね? 何時間もオペ室に閉じこもってんだからよ、そんくらいの潤いがねぇと♥ あ、オレこの後もうひとつオペ入ってんだよな。シャワー室、先行くぜ~」
申「おや、今のオペで今日は終わりのはずですが?」
虎「うちの科はな? 婦人科の応援頼まれてんの」
辰「虎石は婦人科も経験があるんだっけ」
虎「まあな。他には消化器外科、小児外科、整形外科――」
申「気が多いのか、要領がよいのか」
辰「うちの病院でこんなに何でも出来る医師は、虎石以外にいないよね。同僚としては自慢になるな」
虎「だろ――イィッ」
辰「虎石?」
申「どうかしたのですか?」
虎「何か急に……顔面が痛ぇ」
辰「え?」
申「顔面? 頭痛ですか?」
虎「いや……コレ、奥歯か??」
辰「あぁ……」
申「脅かさないで下さい。脳神経外科医の前でむやみに顔面が痛いなどと……」
辰「時間が空いたら、歯医者に行って来たら? 確か近所にかかりつけのクリニックがあるんじゃなかった?」
虎「いや、あるにはあるんだけどよ……あそこの先生、怖ぇんだよな~」
申「何を子供のようなことを言って――」
戌「おーい、みんなー」
辰・申・虎「ん?」
辰「戌峰、卯川、そんなに慌ててどうしたんだ?」
卯「ぼ、ボクたち、大変なこと聞いちゃったかもっ。あのね、ERがっ――」
辰・申・虎「???」
第3場:綾薙大学附属病院:内科にて
南「あれ?」
揚「………」
蜂「南條先生、どうもです~」
南「や。麻酔科コンビがはるばる内科までどうしたの。頭でも痛い?」
揚「(無視)」
蜂「あのっ、うちで扱う患者さんのカルテを、内科の患者さんのカルテと取り違えてたみたいで、返却とお詫びにっ」
南「そんなこと起こる(笑)? 相変わらず常軌を逸したドジっ子だね~。ちなみに俺的には、もし俺が病気して手術受けることになっても、お前に麻酔担当されるのだけは御免だって思うけど」
揚「だったらくたばれ」
蜂「あ、揚羽~っ。ごめんなさいです、南條先生っ」
南「いーって。普段通りなのは異常がない証拠だろ。揚羽先生が俺にニコニコ挨拶してくるようなことがあったらそれこそ病気か天変地異の前触れだって俺は思うしね~」
揚「ありえない、そんなこと。絶対」
南「そりゃ安心」
蜂「はわわわ」
北「オイ、聖!!」
南「廊下走らない」
北「それどころじゃねえ! とんでもねー話聞いちまった……」
南「とんでもない話?」
蜂「一体どうしたんです?」
北「今、愁にちょっかい出してやろうと思ってERに向かってたんだけどな――」
南「勤務時間に空閑先生にちょっかい出しに行くのやめな」
北「それは今どうでもいいんだよ!」
揚「……バカ……」
北「ER行く途中、柊教授の部屋の前通るだろーが。そしたら、中から教授と事務長の話し声が聞こえてきて――」
蜂「暁事務長、です?」
南「あー、2人は旧知の仲なんだっけ。なら別に不思議じゃないじゃない、話してたって」
北「その内容がヤベーっつってんだよ」
揚「ヤバイって、何が?」
北「……ERがだよ」
揚・蜂・南「え?」
揚「………」
蜂「南條先生、どうもです~」
南「や。麻酔科コンビがはるばる内科までどうしたの。頭でも痛い?」
揚「(無視)」
蜂「あのっ、うちで扱う患者さんのカルテを、内科の患者さんのカルテと取り違えてたみたいで、返却とお詫びにっ」
南「そんなこと起こる(笑)? 相変わらず常軌を逸したドジっ子だね~。ちなみに俺的には、もし俺が病気して手術受けることになっても、お前に麻酔担当されるのだけは御免だって思うけど」
揚「だったらくたばれ」
蜂「あ、揚羽~っ。ごめんなさいです、南條先生っ」
南「いーって。普段通りなのは異常がない証拠だろ。揚羽先生が俺にニコニコ挨拶してくるようなことがあったらそれこそ病気か天変地異の前触れだって俺は思うしね~」
揚「ありえない、そんなこと。絶対」
南「そりゃ安心」
蜂「はわわわ」
北「オイ、聖!!」
南「廊下走らない」
北「それどころじゃねえ! とんでもねー話聞いちまった……」
南「とんでもない話?」
蜂「一体どうしたんです?」
北「今、愁にちょっかい出してやろうと思ってERに向かってたんだけどな――」
南「勤務時間に空閑先生にちょっかい出しに行くのやめな」
北「それは今どうでもいいんだよ!」
揚「……バカ……」
北「ER行く途中、柊教授の部屋の前通るだろーが。そしたら、中から教授と事務長の話し声が聞こえてきて――」
蜂「暁事務長、です?」
南「あー、2人は旧知の仲なんだっけ。なら別に不思議じゃないじゃない、話してたって」
北「その内容がヤベーっつってんだよ」
揚「ヤバイって、何が?」
北「……ERがだよ」
揚・蜂・南「え?」
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