
第3場:柊庵にて
- 申
- 「1に売り上げ、2に売り上げ、3、4がなくて、5に伝統! ハイ!」
- 辰・戌・虎・卯
- 「1に売り上げ、2に売り上げ、3、4がなくて、5に伝統!!!!」
- 申
- 「今日も我が柊庵が掲げるこのスローガンを胸に留めつつ、同時にお客様のお気持ちを最優先に、各自業務に励んでください。女将、何かありますか?」
- 辰
- 「みんな、笑顔を絶やさずにね」
- 申・戌・虎・卯
- 「はい!!!!」
- 申
- 「ではこれで朝のブリーフィングを終了します。本日も、宜しくお願いします」
- 辰・戌・虎・卯
- 「宜しくお願いします!!!!」
- 虎
- 「はいはーい、確認だけど、マジ通常通りの仕事でいいんだよな? 今日から例のコンペの審査始まるって話だったけどよ」
- 申
- 「その通り。この1ヶ月は我々柊庵の星社員にとって勝負の1ヶ月。ですが気負うことはありません。私たちは常に、全てのお客様に対して、完璧かつ最上級のおもてなしをしています。ありのままの姿を見ていただけばよいのです
- 辰
- 「栄吾の言う通りだよ。柊元支配人の教えをしっかり体現して、お客様に心を尽くす。それだけで、十分に特別なことなんじゃないかな」
- 卯
- 「虎石くんの女性のお客様への過剰な接客は、ちょっと控えてもらいたいところやけど~」
- 虎
- 「はあ? オレより戌峰のが要注意だろ? 歌劇宿乱の調査員が泊まりに来た日に食材なくって夕飯出せねえなんつーことにならねえように、誰かに冷蔵庫見張らせろよ?」
- 戌
- 「うん!」
- 卯
- 「まあ、普通に考えてこのコンペ、勝つのはうちらに決まってますけど~」
- 戌
- 「なんでなんで? ホテル・オートリ豪華だよ? クリスチアン・パリキラキラだよ! 漣屋強いよ!」
- 卯
- 「アホらし。そんなん敵やあらしまへん」
- 申
- 「そういえば……さる筋から得た情報によると、あかつき高原研修センターがコンペへの参加を辞退したのだとか」
- 虎
- 「え、マジ?」
- 卯
- 「なんでなん?」
- 辰
- 「きっと、新年度シーズンで忙しかったんじゃないかな。名声よりも、今、手元にある仕事、目の前にいるお客様を優先したんだ」
- 申
- 「さすがは実直さに定評のあるあかつき高原研修センターの星社員。同じ宿泊業界に身をおく者として、彼らの考えを支持します」
- 戌
- 「じゃあ僕たち、あかつき高原研修センターのみんなの分まで頑張らないとだね!」
- 虎
- 「お」
- 卯
- 「戌峰くんってたまにいいこと言うやんな」
- 虎
- 「それな」
- 戌
- 「エヘヘ」
- 虎
- 「今のは褒めた」
- 戌
- 「ではみなさん、お手を拝借!」
- 虎・卯
- 「出た!!」
- 戌
- 「柊庵での、楽しいお茶会を目指して~! エイエイ、」
- 辰・申・戌・虎・卯
- 「オー!!!!!」
★次回、『第4場:クリスチアン・パリにて』へ続く!?