≪4≫
いくつかの夜が明け――、船はそろそろ食料の調達のために陸へと航路を取ることに。
アルベールとティエラが目的地を相談している間に、
クリス・ジョバンニ・アンリは手下たちに指示を出しながら準備を進めいている。
「海での生活なんて」と泣き言を言っていたアンリも、
「みんなと一緒ならちょっとくらい冒険もいいかも」と、少しばかり前向きに。
アンリの様子を安堵したように見守っているクリスとジョバンニ。
クリス「アンリは弟みたいなもの。ジョバンニ、きみが元気付けてくれたんだろ? 有難う」
ジョバンニは5人のリーダーの中では一番の新参だが、他の4人と等しく大事な仲間。
改めてそう告げ、クリスは自分の持ち場へ戻ってゆく。
1人残されたジョバンニの独白。
実はジョバンニは、クリスたちの仇である敵国の放った密偵であった。
「海賊として生き延びているらしい」と実しやかに囁かれている王家の残党を探し出すために。
その残党がクリスであることをついに確信したジョバンニ。
しかし――芽生え始めた仲間意識に思い悩んでいる……。
苦悩しながらも、任務を全うするしかないジョバンニ。
アルベールとティエラに、今や敵国の領地となったクリスたちの祖国へと近づく航路を提案する。
クリス王子を始末するために……。