≪10≫

思い出の丘に立つアルベール。
そこへクリスがやって来る。「一緒に海へ出よう」と言いたいクリス。しかし、なかなか言い出せず……。
そんなクリスの心を知ってか知らずか、アルベールは語る。

アルベール「私はこの丘が好きなのです。もっともきみは、ここから見える海の方が好きだったようですが」
2人は語り合う。

アルベール「この丘に咲く花の色、木々の香り、些細なものが美しく、愛おしい。
私が愛するこの場所を、ずっときみに見て欲しかった」
クリス「覚えている。懐かしいこの色、この香り。そこにはいつも、アルベール。君の姿が」 2人「ずっと共に。きみは親友、血を分けた兄弟、それよりも強い絆がある」
互いに友情を確認し合った後、アルベールが去り――1人残ったクリスは決心する。

クリス「この丘に咲く花の色、木々の香り。きみが愛するこの場所を覚えている。ずっと共に、傍で支えてくれた。
血を分けた兄弟、それよりも強い絆で。左目を失っても、恨むことなく守ってくれた。 これ以上はもう……何も奪いはしない」

クリスは、アルベールを国に残して旅立つことを決める。