≪2場:青年ランバート登場≫

時は流れ――ランバートは青年に。
役者として成功することを目指し、オーディションを受け続ける毎日。
しかし、今日のオーディションも不合格。
いつものように、酒場で役者仲間のオーランドと互いの苦境を慰め合う。

オーランド「こんな生活、いつまで続くのか。もうまっぴらだ」 ランバート「諦めるのか?」 オーランド「分からない。だがいつかは『成功』か『諦め』、どちらかの道を選ばなければ……」
オーランドと別れた帰り道――ランバートは幼馴染のエディと会う。
オーランドの苦悩について話すランバート。

ランバート「だけど、僕は諦められない。僕の夢は、僕だけの夢じゃないから」 エディ「アレクシスのことか……お前はどこまでも人がいい。だから誰もが、お前を愛するんだ。ランバート」

♪『世界一お人好し』(歌唱:エディ&ランバート)

 前向きで純粋なランバートを、呆れながらもそれがお前のいい所だと褒めるエディ。
 しかし、その優しさが身を滅ぼさないかと心配もしている。

エディ「さあ。今日もアレクシスの所へ行くんだろう? 土産だ、持って行け」
エディからワインを受け取り、駆けてゆくランバート。
見送りながら、呆れたように笑むエディ。

エディ「困ったもんだ。俺の幼馴染は、うだつの上がらない役者と、狂人と恐れられる劇作家とはな」