≪7場:アレクシスの苦悩≫
ここ数日、屋根裏に姿を現さないランバートのことを、密かに気にかけているアレクシス。
そこへ幼馴染のエディが現れ、ランバートが役をもらえたのだということを告げる。
エディ「でもランバートの奴、ここ最近様子がおかしい。なぜか悩んでいるようだ」
アレクシス「……俺の知ったことか」
エディ「アレクシス……お前はどれだけランバートから愛情をもらっているか、分からないのか? そんなはずないだろう?」
♪『エディの助言』(歌唱:エディ)
穏やかに、諭すように、アレクシスの心に語りかけるエディ。
エディ「ランバートの優しさが、慰めが、少しでもお前の胸に響いているなら、今はお前がランバートを慰めてやるべきだ。そのドアを開き、友の元へ行くべきだ」
エディが去ったあと――エディの助言に、心を動かされているアレクシス。
しかし――鏡に映った自分の顔を、未だ直視できないアレクシス。
醜い傷痕……この顔を見ると、湧き上る劣等感を嫌でも自覚する。
アレクシス「……本当に醜いのは、この顔ではなく心の方か……」
♪『沈黙のディアローグ』(歌唱:アレクシス&アレクシスの影)
胸に巣食う、黒い感情を独白するアレクシス。
ランバート……お前が憎い。
この劣等感がお前を苦しめ、縛っていると分かっていながら……手放せずにいる。
傍に寄り添う『影』に、救いを求めるように縋るアレクシス。
アレクシス『お前は俺の天使だ……俺の心のように、汚れないでくれ……』
そんなアレクシスに、『影』はそっと手を差し伸べ「傍にいる」と語りかける。
アレクシスは、やはりランバートの元へ行くことは出来ず項垂れるのであった。