≪10場:アレクシスを訪ねるルーカス≫
アレクシスの元へルーカスがやって来る。
ルーカスはアレクシスの才能はアメリカでこそ評価される。共に渡米せよ、と口説く。
自分の作品が認められて、心が揺れるアレクシス。
やっと成功を手にできる。それは、今まで思うようにならなかった演劇界への復讐でもある。
しかし――ロンドンを離れることに抵抗があるアレクシス。
心のどこかで、ランバートを置いてゆくことに躊躇いがあるのだった。
俺が消えれば、あいつは罪の意識から解放されるかもしれない。それでも俺はっ……。
迷いながらも踏ん切りがつかず、ルーカスを激しく罵り、追い返すアレクシス。
しかし、諦めきれないルーカス。
自身の成功のために、アレクシスの足枷であるランバートを追い込もうと画策する。
ランバートが出演する劇場の前に立ち、目的を果たすためなら手段を選びはしない、と歌う。
♪:『ルーカスの野心~リプライズ~』(歌唱:ルーカス)
そんなルーカスを見ている人影――オーランド。
見てはいけないものを見てしまった気がして、その場を去る!